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『みんなでエベレスト!』~エベレスト生中継応援プロジェクト~

誰も見たことのないエベレストへ ~栗城からのメッセージ~

秋季エベレスト無酸素・単独登山。気温は-35℃、酸素は地上の3分の1、そこにいるだけで肺が押しつぶされそうになるくらい苦しく、容易な生存を決して許さない世界。

エベレストは1953年にイギリス隊が初めて登頂してから、数々の歴史とドラマが繰り広げられ、先人たちの努力のお陰で今多くの人が登頂しています。

エベレスト山

今、エベレストの登頂者の数はネパール側・中国側合わせて、7,000人近くいます。通常は気候も安定し登山者が多い春に登られています。

僕は春という時期ではなく、春よりも気温が低く、ジェットストリームと呼ばれる強風が吹き荒れる秋に挑戦してきました。

秋季エベレストの無酸素・単独登頂に成功した人は世界で0人です。

この過酷な挑戦に向けて「リズム」と呼ぶ、低酸素に対する耐久性の高い体を作るためのトレーニングを行ってきました。

富士山を走って登り、標高6,000m の低酸素室でのトレーニングをしながら、無酸素・単独で登る準備をしています。

無酸素で単独で挑戦する理由は「山を感じたいから」です。

1人で山に向かうと、不安や孤独があります。

僕はその不安や孤独も自然の一部だと考え、エベレストの全てを感じながら登り、成長していきたい、そう考えて挑戦してきました。

たくさんの困難があるかもしれませんが、その困難を一つ一つ楽しみながら、喜びに変えていきたいと思います。

否定という壁への挑戦

僕の夢は秋季エベレスト無酸素・単独登頂だけではありません。本当の夢は「否定という壁」をなくして応援しあう世界に向かうことです。

そのために、エベレスト生中継『冒険の共有』を行います。『冒険の共有』は、山頂からの生中継や動画配信をするだけではありません。

実は「失敗」と「挫折」も共有します。

なぜなら、本当の挑戦は失敗と挫折の連続だからです。

インターネット配信との出会いは、2007年のヒマラヤ、チョ・オーユー(8,201m)のチャレンジの時に日本テレビとの配信企画を行った時でした。

まだ日本に Facebook も YouTube もない時に、ヒマラヤからのインターネット配信は“変わり者”と思われ、応援の声と混ざりながら否定の声もありました。

ある人からは「お前は登れない」という声もありました。

最終アタックの日、山頂まで残り僅かな所まで向かいましたが、濃いガスに阻まれ登頂を断念し下山しましたが、再び登っていき登頂しました。

その時、「お前は登れない」と言っていた同じ人から「ありがとう」という言葉がコメント欄に書いてありました。

恐らくその人は、僕の挑戦を自分と照らし合わせながら見ていたのかもしれません。

栗城史多

日本国内にいる時、僕は学校や企業などで講演をしています。

ある時、講演中に子供たちの夢を聞いていきました。そして講演終了後に先生から「お前の成績じゃ無理だよ」と否定されている子供の姿を見ました。

まさに、僕が最初に向かおうとしたマッキンリーの時と同じ否定という壁があったのです。

否定の根元にあるものは、必敗への恐れです。

人の挑戦を否定するのではなく応援しあうことができれば、ヒマラヤの自然のように多様性に溢れ、明るい世界ができると考えています。

『冒険の共有』はそんな山を登る全ての人たちへの応援、そして支えになるプロジェクトです。

栗城史多 プロフィール

生年月日:1982年6月9日生まれ
出身地:北海道
見えない山を登る、全ての人達と冒険を共有する登山家。1982年北海道生まれ。大学山岳部に入部してから登山を始め、6大陸の最高峰を登り、8,000m 峰4座を単独・無酸素登頂。2009年からは「冒険の共有」としてのインターネット生中継登山を始める。「冒険の共有」は、一歩踏み出す人を増やすことを目的とし、見えない山を登っている全ての人達へというメッセージと共に発信。その活動が口コミで広がり、年間80本の講演を全国各地、また海外でも行う。2012年秋にエベレスト西稜で両手・両足・鼻が重度の凍傷になり、手の指9本の大部分を失うも、2014年7月にブロードピーク(標高8,047m)に単独・無酸素で登頂し見事復帰を果たす。2015年には、単独・無酸素で気象条件の厳しい秋季エベレスト登山に5度目の挑戦するも、激しい風と雪に阻まれ悔しくも8,150m地点で下山を判断。
2016年、中国側から6度目の秋季エベレストに挑戦する。

予算使途

支援金はエベレストからのインターネット生中継また動画配信(『冒険の共有』)のための費用に、全て充てさせていただきます。

エベレストからの生中継のための、衛星回線費、機材レンタル費、日本からのエンジニア人件費、エンジニアとカメラマンをサポートする為の現地スタッフの人件費。

考えられるリスク

天候不順や事故などの理由で、遠征やインターネット生中継を予定通り実施できない可能性。事故や政治的な問題などの理由で現地に入れない又は急に退去しなければならなくなった場合には登山中止の可能性。